本書は投資家、ファンドマネージャーであり、レオスキャピタルワークス株式会社代表取締役社長・最高投資責任者である藤野英人さんの著書です。
こんな人にオススメ
- 将来の不安を打ち破りたい人
- 社畜になっていると感じる人
- 本当の投資とは何か知りたい人
- お金の投資を始めたい人
老後のお金の不安に対する解決策
日本人には老後のお金の不安を抱えている人が多いのではないでしょうか?
解決策として
- 若いうちにたくさん稼ぐ
- 支出を抑える
- 長く働き続ける
- 収入の一部を投資に回す
この4つがあります。①、②は日本人が考える一般的な方法ですが、③、④は投資家的な考え方です。
本書は③、④の考え方を身に着け「生き方」を変えようという本です。
サラリーマンなどの本業を持つ人向けに、できるだけハードルを低くして投資のメリットを理解し、本業を続けながら長期的に成長していく方法が書かれています。
サラリーマンの虎とは?
サラリーマンの虎
「高い職業倫理と高度な専門性をもって、顧客のために満足できる結果を残すことのできる付加価値の高いサラリーマン」の事を指します。反対の言葉は「社畜」です。
著者はサラリーマンの虎=「トラリーマン」と呼んでいます。
トラリーマンは自分の仕事、会社を自ら選んで主体的に働いています。
自分の人生を充実させるために仕事、会社を利用しています。
また、ステップアップのため転職するマインドを持ち、自己投資やお金の投資をしています。
トラリーマンこそ正に投資家みたいな生き方をしている人なのです。
サラリーマンの虎になるためのポイント
投資家の考え方を身につける
著者は「投資とはエネルギーを投入して未来からお返しをいただく行為」と定義づけています。
重要なのはお金の投資が全てではないということです。
今のあなたやあなたの身の回りにあるものは過去に誰か(家族や学校、地域社会、会社の先輩など)がお金や時間、情熱、愛情などの「エネルギー 」を投入したことで成り立っています。エネルギーを投入する際は損をするリスクがあったと思われます。ゼロからイチを生み出すにはこの「リスクをとる人」と「エネルギー」が必要です。
投資の種類
投資はエネルギーを何に投入するかにより様々な種類に分けられます。
教育投資:後輩や子供。
設備投資:工場や店。
株式投資:会社を応援する資金う。
社会投資:寄付やボランティア。
自己投資:自分自身。
自己投資が大切
この中で特に大切なのが「自己投資」です。なぜならこれからは個人が戦略的に生きていかないと生き残れない時代に突入するからです。自己投資をすることで、リスクの大きい社畜生活から抜け出すことができます。
具体的には下記があります。
- 転職の可能性や企業の道を探ったり、他の業界でも通用するスキルを磨いておく
- 健康に気をつけて食事を見直し、運動し、60歳以降も長く働けるように自己管理する
- 自分の時間で他業界の知り合いや外国人などと交友関係を築き、会社以外の人間関係を構築しておく
投資家の習慣を身につける
惰性に打ち勝つための質問
全ての行為の前に「これって投資?それとも浪費?」と自問自答してみましょう。
投資とはエネルギーを投入して未来からお返しをいただく行為です。
「家に帰ってきて読書したいけど、youtubeでおもしろ動画をみてしまう・・・」などの惰性の習慣に打ち勝つことが投資家みたいに生きるということです。惰性の習慣に陥りそうになったら 「これって投資?それとも浪費?」 と自分に問いかけてみましょう。
街の変化を見つけよう
日常生活において変化を見つける「敏感さ」を持っている人は、マーケット感覚を持ち合わせていたり、ビジネスチャンスを発見できます。敏感さを身につけるためには移動時間を情報収集のための時間に変えることが必要です。「駅前に新しくできたカフェのコーヒーが量より質を売りにしている」など、同じ生活をしていても「流行を知ろう」と意識を切り替えるだけで入ってくる情報量が各段に増えます。
書店や家電量販店、コンビニなどをぶらついて情報収取するのもいいです。
またスマホのアプリなど新サービスをすぐに試すのもオススメです。
発信する人にヒト・モノ・カネが集まる
SNSなどで自分の夢などを発信してみましょう。周りの人に宣言することで周囲の人とのコミュニケーションが格段に広がり、良いアイデアを出してくれたり、お金や物を支援してくれる可能性が広がります。
映画を見たり本を読んだりしても、内容を振り返らずに忘れてしまえばただ時間とお金を浪費しただけになりますが、アウトプットをセットにすることで、浪費から「投資」に代わります。
まずは5分だけやってみる
何かを始めて継続する際に大切なのは、最初のハードルを限りなく下げておくことです。
自分に対する期待値が高すぎると、継続できない自分が嫌になってしまいます。
「どうせ自分はなまけものなんだ」と思うくらいでちょうどいいのです。
読書でも楽器でも「5分だけ」という気持ちでやってみましょう。5分後にスパッとやめてもいいのです。
すると不思議なことに「もうちょっとやってみよう」という気持ちになり、結果5分以上続いたりします。
お金の投資を始める
お金の投資の原則は
「小さく・ゆっくり・長く」です。
「小さく」は自分の手に汗かかない金額で始めること。
「ゆっくり」は焦らずに時間分散をすること。
「長く」はできるだけ長期に続けることです。
上記の原則に沿い、初めて投資信託を始めたい方、老後の資産形成をしたい方向けに勧めているのが「つみたてNISA」です。詳細については本書やインターネットなどで調べてみて下さい。投資家の考え方、習慣を身につけたら是非お金の投資を始めてみましょう。
まとめ
本書では自己投資を軸に投資家の考え方、習慣について書かれています。お金の投資も大切なことですが、それよりも大切なことは、自分の人生を自分で生きるという覚悟を持ち、会社などの自分の居場所を自分で選んで主体的に行動しているかということです。本書を読むことで自分の人生を生きるためのすべを学ぶことができます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。サラリーマンの虎になりたい方は是非読んでみて下さい。